洋画

【映画レビュー】「エイブのキッチンストーリー」

概要

エイブのキッチンストーリーレビュー ノア・シュナップ主演

映画の印象の紹介

料理モノ?

むむむ、観賞後狂おしいほどにキューバサンドを求め彷徨うはめになった。

「シェフ」のようなストーリーなのか?て勝手にワクワクしてました、、、が!

予想は全くのハズレ、想定していなかった物語でした。

過去の歴史も含み、異民族・異国民の

アイデンティティにまつわるお話でした。

一人の人間のルーツ、形成されるアイデンティティとは何にゆらいするものなのか?

過去は守るべきモノなのか?

忘れてはいけないモノなのか?

重大にすべき事はなんなのか?

こだわるモノなのか?

本作品はその問いに、優しいタッチで一つの見識を打ち出しているのではないでしょうか?

見どころ

悲しい歴史を実体験している世代から2代後の12歳のエイブが主人公です。

複雑な一族構成の彼にとっての民族の過去はネットで検索知る事であり習慣含め好奇心の対象です。エイプは、しなやかです。

こだわりなく、無邪気に好奇心にまかせて行動します。

なんでダメなの?って言えちゃう。

右でも左でもない、白でも黒でもない、タカでもハトでもない、過去を元に「こうあるべき」と大好きなおじいちゃんおばあちゃんたちに言われても。

料理が大好きな彼にとっては先人のこだわり、過去のワダカマリも、複雑な由来も「食材」「調味料」にしかすぎなかったのではないでしょうか?

美味しくするため(美味しい=調和)のマップを描き、全てをバランスよく調理し、美味しい料理を作りたい。

それはまさにエイブの年代の若者たちに期待したい監督のメッセージなのではないでしょうか?

歪みあわずに尊重しあって新しい味に(世界)を作ろうって。

新しい世代を作っていって欲しいって。

単なる僕の深読みですが、料理と異民族の衝突をうまく融合させたなぁって感心してます。地味ではありますが良い作品でした。

また劇中、いがみあってた大人達がある事件で自省し協力するシーンがあります。そして、そこではみんななんやかんや言ってたけど、

同じ食卓でご飯を食べるんですよね。

最終的に大事なのは命。

重大なもののためにはこだわりは意味がない。

人間の根本はこれなんじゃない?ってメッセージもある気がします。

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