映画『トルーマン・カポーティ 真実のテープ』は2019年にアメリカで公開された上映時間98分のドキュメンタリー映画で、「ティファニーで朝食を」「冷血」などの作品で知られる文豪トルーマン・カポーティの素顔を描きます。
カポーティは大ヒットを記録した「冷血」の後、ニューヨークの上流階級の生活を暴きだす「叶えられた祈り」を発表しますが、その内容があまりにスキャンダラスだったために大論争に発展します。カポーティ自身も社交界の名士でしたが、この一件で多くの仲間を失い、アルコール依存や薬物中毒に冒されていきます。
イーブス・バーノー監督による本a作は、関係者や友人の証言を基にその当時のカポーティの素顔に迫ります。当時としては珍しいゲイのセレブリティとして知られたカポーティですが、マイノリティの生き方や、当時の社会的な抑圧を知るのにとても面白い一作です。貴重なインタビュー映像もたくさん使われており、謎の多いカポーティの一面が明かされていくシーンは大きな見所です。
また、カポーティの養女であるケイトが、カポーティがケイトの実父を恋人にしていたと証言するシーンは衝撃的です。奇行の目立つカポーティでしたが、そこには彼なりの愛があり、それでいて冷酷でもあったことが次第に明らかになっていきます。